家賃の集金方法

当たり前のことですが、賃貸経営では、毎月入居者からいただく家賃・共益費が売上です。

入退去があれば、礼金や清算後返還しなかった敷金なども売上計上します。

物販のお店などでは、毎日の営業後にレジを締める作業を行います。レジに計上してある売上金額と実際にレジ内にある現金をつきあわせて1円でも間違っていれば、差異の原因を特定するまでは家に帰れません。

 

それに比べると、賃貸経営では取り扱う金額は格段に大きい割に、入金の管理は大雑把な大家さんも少なくありません。

記帳に行くのがめんどくさくて数日くらいなら放置、という大家さんも少なからずおられるのではないでしょうか。

大家さんは部屋という商品を、家賃という対価をいただいて貸し付けている事業者ですから、家賃の入金管理は超重要業務です。

今はインターネットバンキングサービスもありますから、自宅でも確認作業はできます。

もし、滞納が発生してしまったら初動がなにより大事です。自分でやれないのなら、管理会社に業務委託してキチンと管理してもらいましょう。

 

家賃の集金方法① 入居者から直接現金徴収

今はもうほとんどなくなってしまいましたが、ひと昔前は入居者に直接家賃を持参してもらって、家賃帳に受領印を押して現金徴収をしていました。

長く大家さんをやっておられる方は、今でもそうしている物件があるかもしれません。

月に一度顔を合わせてコミュニケーションを取ることは、なにか異変があればすぐに察知できますし、関係性の構築という面では一定の効果があります。

しかし、ある程度の額の現金が手元に集まることになりますので、ちょっと危ないですね。物件の近所に大家さんも住んでいて、特別な事情などがない限りは銀行振込などの方法を取った方がよいかもしれません。

 

家賃の集金方法② 入居者から直接銀行振り込み

戸数にもよりますができれば物件ごとに、家賃管理専用の口座を作った方が管理しやすいです。

家賃の支払い期日(多くの場合月末の最終営業日)の15時以降に通帳記帳、もしくはネットバンキングの入金明細などを取り、キチンと入金されているか確認します。日割り家賃や水道代などの変動費があると、チェックは少し煩雑になります。

稀に、親や同居人などが代わりに支払ったなど、振込人の名義と入居者(契約者)の名前が違うことがあります。

その時に入金口座が大家さんの個人口座ひとつしかないと、どこの物件の誰なのか、個人的なものか家賃なのか、わからなくなることがあります。

また、振込手数料などは入居者負担にしているケースが多いと思いますが、差し引いて振込されることがあります。次月に不足分合わせて振込してもらうなどの個別対応が必要になります。

入金が確認できなければ、滞納発生です。

しかるべき督促業務を行っていくことになります。単純ではありますが、毎月のことなので地味に大変な作業です。

 

家賃の集金方法③ 管理会社に集金を代行してもらう

自分で入金チェックを行うのが大変、滞納の督促などもできない、という場合は、管理会社に家賃の管理を委託することになります。

入居者は管理会社が準備した家賃回収口座に家賃を振込(振替)し、管理会社が過不足がないかチェックして、全戸分まとめて明細書を作ります。

契約に含まれていれば、滞納などの初期対応も管理会社が行います。

それらの事務作業が終わってから送金になりますので、大家さんの元へ家賃が入金されるまでには10~20日程度のタイムラグが生じます。

煩雑な事務作業はすべて代行してくれますので大家さんは楽ですが、口座が物件ごとに個別管理されていなかったり、滞納の初期対応が下手だったり、会社自体の与信に不安があったりすると、安心して任せることができません。

収入のすべてが、その管理会社経由になるということをよく考えて、業者の選定を行いましょう。

 

管理会社を過信しすぎてもダメ

家賃管理業務を管理会社に委託すると、100%間違いなく集金業務を行ってくれると思いがちですが、家賃の入金管理業務も管理会社によってレベル差があります。

入金チェックしたあとエクセルで集計、すべて目視と手計算で帳簿つけしている会社もありますし、人的ミスをできるだけ出さないように入金管理システムを活用している会社もあります。

入金の管理を行う事務方の担当者と、督促業務を行う物件担当者が違うことも多いので、情報の伝達ミスなどコミュニケーションエラーが起こらないとも限りません。

任せっぱなしにしすぎず、最終的な確認はキチンと自分で行うようにしましょう。

 

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この記事を書いた人

管理人 いろは大家マニュアル Site administrator
地主系大家さんを中心に、賃貸経営に関わるさまざまなステークホルダーを支援する仕事をしています。
守備範囲は広く浅いです。専門的な深い部分はすぐに専門家に頼ります。偏りはありますが、近視眼的にはならないように心がけています。鳥の目、虫の目、魚の目で大家さんのお役に立つお仕事をしていきたい(と願っている)。

【保有資格】
宅地建物取引士
公認 不動産コンサルティングマスター
賃貸不動産経営管理士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
相続支援コンサルタント
相続鑑定士
福祉住環境コーディネーター 他

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