家賃保証会社がやってくれること

家賃保証会社は、入居者から保証料をもらって連帯保証人の代わりを務める会社です。

入居者の家賃滞納が発覚した後、手順に沿って請求をすると、滞納分を保証会社から大家さんの口座に振り込んでくれます。

これを代位弁済と言います。

 

保証会社は立て替えた分を、後から入居者に督促することになります。

大家さんとしては、連帯保証人がいない入居検討者でも保証会社をつけることでリスクヘッジができますし、代位弁済の請求手続きさえきちんとすれば、督促業務のストレスを感じることなく家賃の弁済を受けることができます。

入居者が支払う保証料は、会社によって異なりますが、契約時に家賃の50~100%と1年毎の更新料0~1万円程度かかります。

大家さんにとってはメリットが大きい保証会社ですが、入居者側としては、負担に感じることもあります。

連帯保証人がいる入居者にとっては、なぜ自分が保証料を負担してまで第3者に保証をしてもらわなくてはいけないのか?と感じますし、高額物件の場合でも負担感が大きく敬遠されがちになります。

競争力の低下に繋がっては意味がありませんので、ご自分の物件に住まわれる入居者の属性や連帯保証人の有無に合わせて利用を検討することになります。

どうしてもリスクヘッジをしたい場合は、大家さんが費用負担して加入してもらうこともあります。

 

保証会社がやってくれること

家賃の立て替え払い、督促業務の代行以外にも、契約によってはさまざまな業務、ないしは費用負担をしてくれることがあります。

手続きの方法や免責期間、金額などの内容は保証契約によってさまざまですから、よく確認をしておいた方がいいでしょう。

よくあるメニューは以下の通りです。

 

1.入居者の信用調査

保証会社をつけた契約にする場合、賃貸借契約を結ぶ前に保証会社の審査があります。

審査基準は公開されていませんが、保証会社間ではクレジットカードを作成するときのような信頼度の高い信用情報機関による情報共有はされていませんので、各会社ごとの独自の基準で信用調査をしていることになります。

ですから、審査が甘い会社・厳しい会社の差がかなりあります。

 

2.滞納家賃の弁済

メイン業務です。

滞納家賃の弁済方法は、「代位弁済」と「収納代行」という2つのタイプに分かれます。

先ほども少し説明しましたが、代位弁済は、後払いです。

(大家)家賃入金ナシ →(大家)滞納発覚 →(大家)代位弁済手続き →(保証会社)送金 →(保証会社)滞納督促、の流れです。

 

収納代行は、その前段階、家賃の集金段階から保証会社に委託します。

(保証会社)送金 →(保証会社)滞納発覚 →(保証会社)滞納督促、です。

保証会社は入居者からの入金があろうがなかろうが大家さんに家賃を振込み、滞納があれば後から入居者に督促します。

どちらかというと、代位弁済の方がよく利用されています。

 

3.入居者への督促業務

大家さんに立て替え払いをした後、未納分の家賃督促は保証会社が行います。

回収ができないと保証会社は貸し倒れになりますので、粛々と督促業務を行います。

賃貸保証業界はまだ若く、法整備も追いついていないため、少々危ない督促をする会社も中にはあります。

もし保証会社が無理な自力救済をして入居者から訴えられた場合、大家さんに不利益がないとは言えません。どんな保証会社なのかは、事前に仲介店や管理会社に確認をしておきましょう。

 

4.各種費用の負担

保証会社は滞納がかさめばかさむほど、自社の利益を圧迫していきますので、回収の見込みが立たないと判断すると損切り覚悟でドラスティックに追い出しの手続きに入ります。

長引く程、保証会社の出血が増えるので、さっさと退去させて利益を確定させる作戦です。

そのため多くの保証契約には、明け渡し訴訟費用が含まれています。

明け渡しまで終われば保証会社側の仕事は終了なのですが、退去後のぐちゃぐちゃ空室を放置では大家さんからクレームが出ますので、残置物の撤去費用原状回復の費用などを上限付きで保証してくれることもあります。

これらはオプションであることも多いので、事前に契約内容を確認しておきましょう。

また、最近では、高齢化社会の進行に伴ってニーズが高いと目される、孤独死保険などを組み込んだ保証商品も登場しはじめるなど、さまざまな内容の保証があります。

 

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この記事を書いた人

管理人 いろは大家マニュアル Site administrator
地主系大家さんを中心に、賃貸経営に関わるさまざまなステークホルダーを支援する仕事をしています。
守備範囲は広く浅いです。専門的な深い部分はすぐに専門家に頼ります。偏りはありますが、近視眼的にはならないように心がけています。鳥の目、虫の目、魚の目で大家さんのお役に立つお仕事をしていきたい(と願っている)。

【保有資格】
宅地建物取引士
公認 不動産コンサルティングマスター
賃貸不動産経営管理士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
相続支援コンサルタント
相続鑑定士
福祉住環境コーディネーター 他

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