賃貸管理業務とは

かつて、アパートや戸建賃貸物件の管理は、大家さん自身か、仲介を頼んでいる不動産屋が行っていました。

しかし、建物の大型化や維持・修繕の複雑化が進むことで、専門知識や技術の必要性が高まり、賃貸管理を専門で行う業者が出てきました。

 

数戸程度ならまだしも、数十戸単位の賃貸住宅を大家さんひとりで全て管理することはかなり大変なので、必要に応じて管理会社や専門業者に業務を委託しているケースが多いです。

一部だけ外注(分離発注)することもできますし、全部を包括して任せる(一括管理)こともできます。

賃貸管理の業務は、大きく2つに分けることが出来ます。

  1. 入居募集や家賃の回収、入居中のトラブル対応など、入居者に関連する管理業務
  2. 清掃や設備のメンテナンス、修繕工事などの建物に関連する管理業務

それぞれ、概要をまとめます。

 

1.入居者に関連する管理業務

入居者に関連する管理業務は、

  • 入居管理業務
  • 家賃管理業務
  • ソフト管理
  • プロパティマネジメント(PM)業務

などと呼ばれることが多いです。

入居者に対する「ソフト面(サービスなど)」の管理が主になりますので、見積書や提案書上では同じような項目になっていても、どこまでやってくれるかは会社(または担当者)によってまちまちで、比較検討しにくい業務でもあります。

実際に管理会社に任せてみると、「ここまでやってくれるの?」または「こんなこともしてくれないの?」などのギャップを感じることも多いです。

管理会社は長く付き合う会社ですから、単純に価格だけで比較せず納得いくまで確認することが大事です。

 

例えば、以下のような業務を行います。

入居募集業務

入居者を見つけるための物件資料作成・撮影・広告掲載、仲介店への広報などを行います。

募集条件の見直しやリフォームなどの提案を行うこともあります。

▶ 参考:入居募集の基本

 

賃貸借契約の仲介

管理会社が宅建業者であれば、仲介業務を行うこともあります。

仲介は自ら行わず、管理だけを専業で行う管理会社もあります。

▶ 参考:賃貸借契約の基本

 

入金管理業務

家賃・共益費・水道代・町内会費など、入居者からの入金を管理します。

滞納の督促や保証会社への求償、契約によっては滞納保証、なども行います。

▶ 参考:入金管理と滞納の基本

 

クレーム対応

騒音やゴミなどのマナークレーム、設備の故障などの対応を行います。

24時間365日対応の管理会社も多いです。

しかし内情を見てみると、外部コールセンターで電話受付のみ、物件担当者の自宅待機など、即時対応が無理な会社と、夜勤者を置いてすぐに駆け付けられる体制をとっている会社があります。

▶ 参考:クレーム対応の基本

 

退去管理

退去の受付、立ち合い、敷金の清算、リフォームの手配などを行います。

ここで下手なことをして入居者と揉めると、次の入居募集が遅れることがあります。

▶ 参考:退去管理の基本

 

各種書類作成

入居者に対する点検や工事日程のお知らせ、注意文配布、掲示板管理、大家さんに対する入金管理表、建物管理表、クレーム対応表などの定期的な報告業務を行います。

▶ 参考:運営記録の基本

 

2.建物に関連する管理業務

入居者に関連する管理業務は、

  • 建物管理業務
  • ハード管理
  • ビルメンテナンス(BM)業務

などと呼ばれます。

建物や敷地内の設備、外構など「ハード面」の管理が主です。

  • 行うことを法律で定められている「法定点検」
  • 数か月~数年のサイクルで定期的に行う「定期管理業務」
  • 毎月1~数回行う「日常管理業務」があります。

どうしてもやらなくてはいけない法定点検以外は任意項目ですから、やらなくても咎められることはないですが、清掃をしなければ物件はゴミだらけになりますし、設備の点検をしなければ故障や事故が起こるリスクが高まります。

建物の適切な保守管理は、経年とともに進行していく物件価値の低下をおさえ、入居者のマナーの悪化を防いで長期入居を促進するなど、賃貸経営に大きな影響を及ぼします。

しかし、賃貸管理をメインに行っている管理会社で、建物管理に強みを持つ会社は多くはありません

管理会社を選ぶときには入居募集などの入居管理業務に目が行きがちではありますが、建物管理に不足がないかどうかもよく確認しておいた方がいいでしょう。

 

清掃業務

月に数回行う日常清掃と、数か月~1年おきに行う定期清掃があります。

掃き掃除や拭き掃除が前者で、機械洗浄や高圧水洗浄などは後者になります。

▶ 参考:賃貸住宅の清掃業務

 

法定点検

エレベーターや消防設備、貯水槽清掃など、事故が起こると生命に影響を及ぼしかねない設備などには法律で定められた法定点検が必要です。

▶ 参考:賃貸住宅の法定点検

 

建築設備の保守管理業務

定期的に巡回して、目視点検・動作点検・打診検査などを行い、不具合がないか確認します。

修繕が必要な個所があれば、大家さんに報告して工事の手配します。

▶ 参考:定期的に行う管理

 

緊急対応業務

火災報知機やエレベーターなどからの発報、水漏れ事故などの緊急事態への対応業務です。

現場で的確に対処できる管理会社だと、事態の収束が圧倒的に早く、トラブルの拡大を未然に防ぐことができます。

▶ 参考:24時間緊急対応サービスの種類と選び方

 

各種書類作成

行政庁に提出する書類の作成や、大家さんに提出する点検報告書の作成も業務の内です。

▶ 参考:運営記録の基本

 

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この記事を書いた人

管理人 いろは大家マニュアル Site administrator
地主系大家さんを中心に、賃貸経営に関わるさまざまなステークホルダーを支援する仕事をしています。
守備範囲は広く浅いです。専門的な深い部分はすぐに専門家に頼ります。偏りはありますが、近視眼的にはならないように心がけています。鳥の目、虫の目、魚の目で大家さんのお役に立つお仕事をしていきたい(と願っている)。

【保有資格】
宅地建物取引士
公認 不動産コンサルティングマスター
賃貸不動産経営管理士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
相続支援コンサルタント
相続鑑定士
福祉住環境コーディネーター 他

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