管理委託のポイント 2.集金代行業務

業務を委託する際に一番慎重に検討しなくてはいけないのが、入居者から家賃や共益費などの徴収を任せる集金代行業務です。

一時的とはいえ、その月の売り上げの全てや敷金などのまとまったお金を預けることになりますから、会社自体の信用やコンプライアンス(法令順守)に関する認識が怪しければ委託することはできません。

 

与信調査をしようにも、素人が外部から会社のリアルな財務状況を知ることはできませんし、昨今は大手だからという理由で手放しに安心できるということもないので、ここなら大丈夫、と確信をもって選ぶのは簡単ではありません。

できることと言えば、先方に出向いて会社の雰囲気を確かめる、社員の活気を確かめる、担当者だけではなく社長の考え方を聞いてみる、などでしょうか。

大きなお金を預けるに足る会社かどうか、しっかりチェックしなくてはいけません。

 

賃料などの徴収

家賃や共益費、駐車場代などを回収する業務です。

場合によっては、水道代や町内会費などの収納代行も行います。

今は現金で徴収することはほとんどなくなりましたので、銀行振り込みもしくは口座引き落としになります。入金データを照会し、未納があればチェックをして集計します。

振り込まれた賃料等から、あらかじめ差し引く費用(管理委託費や公共料金の支払い分など)があれば差し引いて、大家さんに送金します。

管理会社の基本的な業務のひとつではありますが、出納業務を円滑に行うための専用システムを導入して運用している会社もあれば、電卓とエクセルで手計算している会社もまだまだ多いです。

▶ 参考:家賃の集金方法

 

銀行の送金サイクルや各管理会社の業務ルーティンによって、大家さんへの送金日は異なります。送金が遅い会社は、大家さんのローン返済日に家賃送金が間に合わないこともあります。

送金日の融通を利かせてくれる管理会社もありますが、イレギュラー対応のための手作業が増えることになりますからミスが発生しやすくなります。

 

未収金の督促

銀行からの入金データに未収があれば、入居者に対して督促を行います。

電話や督促状、訪問などを行って、滞納が発生していることをお知らせして入金を促します。

▶ 参考:家賃滞納督促の実務

 

滞納期間が長くなり、話し合いにも応じず、本人に支払う意思や能力がなく、当事者間での解決が難しくなってくると、法的な手段を検討することになります。

争点は「未納分の回収」と「部屋の明け渡し」です。

管理会社は契約当事者ではないため、訴え(裁判)を起こすのは大家さんになります。

管理会社はそのための助言・サポートを行いますが、あまり首を突っ込みすぎると非弁行為とみなされて、弁護士法違反となってしまいます。賃貸トラブルに強い弁護士を顧問として抱えていれば心強いです。

深夜に訪問する、大声で怒鳴る、暴力に訴えるなどの自力救済は(やりたくなる気持ちはわかりますが)できません。

▶ 参考:家賃の滞納が長期化したらどうするか

 

公共料金等の支払い代行

共用部分にかかる電気代や水道代など、大家さんが支払わなければいけない費用を、回収した家賃の中から代わりに支払い、残りを大家さんに送金します。

同時に、管理会社への管理委託費や、工事を行っていればその費用なども相殺することが多いです。

公共料金のみ対応もあれば、町内会との調整をしてくれるところもあります。

設備のリース料やレンタル代など毎月固定で支払う費用まで対応、毎月変動する使用料などにも対応など、どこまで代行してくれるかは管理会社の対応力次第です。

 

月次報告書の作成

毎月の精算業務が終わったら、収支状況をまとめて報告書を作成します。

  • 家賃や共益費などの入金に関する明細書
  • 滞納が発生すれば未収金の明細書
  • 管理費や工事代など差し引く費用があれば請求明細書
  • 公共料金などの支払いを代行していれば支払明細書
  • 解約があって敷金の返還を行った場合は敷金清算の明細書

などが添付されます。

 

それらを集計して、実際に大家さんに送金する金額の明細書を作成します。

支出については管理会社が立て替えて支払ってから、送金額と相殺というケースもありますし、あとから振り込むケースもあります。

滞納があれば督促の進捗はどうなっているか、保証会社を利用していれば求償の状況も報告されます。退去の際の敷金の清算は、退去日と費用負担の確定日にタイムラグがあることも多いので、注意が必要です。

 

年次報告書の作成

管理会社によっては、1年間の収支をまとめた年次報告書を作成することもあります。

 

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この記事を書いた人

管理人 いろは大家マニュアル Site administrator
地主系大家さんを中心に、賃貸経営に関わるさまざまなステークホルダーを支援する仕事をしています。
守備範囲は広く浅いです。専門的な深い部分はすぐに専門家に頼ります。偏りはありますが、近視眼的にはならないように心がけています。鳥の目、虫の目、魚の目で大家さんのお役に立つお仕事をしていきたい(と願っている)。

【保有資格】
宅地建物取引士
公認 不動産コンサルティングマスター
賃貸不動産経営管理士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
相続支援コンサルタント
相続鑑定士
福祉住環境コーディネーター 他

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