24時間緊急対応サービスの種類と選び方

クレームには、マナートラブルや問い合わせ対応など緊急性のそれほど高くないものと、漏水や機械設備の停止・誤作動、または火事などの緊急性の高いものの2種類があります。

▶ 参考:賃貸クレームの種類

緊急トラブルの多くは、専門性と高い技術を必要とする業務であることが多く、一般の大家さんが自分で行える仕事ではありません。

しかも24時間365日いつ発生するかわからないトラブルですから、通常は管理会社や緊急時対応をしてくれる業者にお願いをすることになります。

 

最近では、どこの管理会社に聞いてみても24時間対応は当たり前にサービスの中に含まれていることが多くなりました。

見積書には同じ「24時間緊急対応」と書いてありますが、自社内で責任をもって行っている管理会社もあれば、再外注先に丸投げの会社もあります。

「電話がつながらない」「すぐ来てくれない」「対応が遅い」などの不満は2次クレームに繋がりますので、管理会社を変更するときなどは金額だけをみて判断せず、その業務内容についてもしっかり確認をしておかないと後で後悔することになります。

 

1.入居者負担の24時間緊急対応サービス

仲介系の管理会社がよく利用するのがこのサービスです。

賃貸借契約時に入居者に任意で加入できる緊急対応サービスを薦めます。店によっては、強制加入させることもあります。

契約期間の2年で1~2万円程の掛け金を入居者自身に負担させ、緊急事態が起こった際には、そのサービス提供会社に連絡を入れてくださいというサービスです。

しかしあくまでもこのようなサービスは、トイレを詰まらせたとか、カギを無くしたといった、入居者自身に過失があるトラブルの対処のためのサービスです。

生活するうえで困ったことがあった時にすぐに連絡できるという入居者サービスのひとつであって、建物側に瑕疵がある場合の賃貸オーナーの管理監督責任までを担保できるものではありません

もし現在任せている管理会社の緊急対応業務の内容が、このようなサービスを利用している「だけ」なら、その管理会社は、緊急対応業務に関してはなにも仕事をしていないことになります。

 

2.コールセンターも緊急出動も外注

24時間緊急対応サービスには、受付を行う「コールセンター業務」と実際に駆けつける「緊急出動業務」があります。

それらの体制を自社内で整えられない場合は、管理会社からさらに外部の緊急対応サービス業者に外注することになります。

どちらも外注している管理会社は、入居者からのクレームを直接受付けませんので、伝言ゲームの中間地点にいることになります。

大家さんからどうだったのか聞かれても即答できませんし、実際に現場に駆け付ける緊急対応業者から判断を求められても決断できません。

ワンクッション置くことになりますので、解決に時間がかかることがあります。

 

3.コールセンターと緊急対応、どちらかは自社でもう一方は外注

技術者を自社で抱えていない管理会社の場合、コールセンター業務は自分たちで受け付けて、緊急出動は緊急対応業者に外注します。

逆に、技術系の管理会社で事務所に人が少ない場合などは、緊急出動はできても電話対応ができないため、コールセンター業務を外注します。

いずれにしても、規模が小さめの管理会社であることが多く、当番の社員が持ち回りで転送携帯を持って帰ったり、飲酒禁止で出動に備えたりして、自宅待機で対応しているケースも多いです。

当然ですが、うっかり寝てしまったら対応できません。

 

4.コールセンターも緊急対応も自社対応

いちばんスムーズな対応が可能なのが、どちらも自社で行っている管理会社です。

管理会社に業務委託するときは、緊急対応だけではなく、建物や設備などハード面の管理業務、入居者の対応などのソフト面の管理業務も合わせて委託していることが多いですから、建物の状態も入居者のことも分かった上で緊急対応を行うことができます。

ある程度の規模の会社になると、夜間対応も自宅待機ではなく当直室に常に誰かが詰めていることになりますから、1次対応のモレはほとんどなくなります。

もちろんすべての社員が、電気・ガス・水道・建築・設備などのすべての技術や知識を持ち合わせてはいませんので、状況に応じてさらに専門の協力会社を手配し、速やかに現場対応を行います。

 

緊急対応サービスの選び方

大家さんの仕事は24時間365日対応しなければならないサービス業です。

その対価として、毎月数万円~数十万円の家賃を得ています。

さまざまな業務がありますが、その中でも緊急対応サービスは大事です。必要な対応をしっかりと行ってくれる適切な業者選びをすることになります。

 

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この記事を書いた人

管理人 いろは大家マニュアル Site administrator
地主系大家さんを中心に、賃貸経営に関わるさまざまなステークホルダーを支援する仕事をしています。
守備範囲は広く浅いです。専門的な深い部分はすぐに専門家に頼ります。偏りはありますが、近視眼的にはならないように心がけています。鳥の目、虫の目、魚の目で大家さんのお役に立つお仕事をしていきたい(と願っている)。

【保有資格】
宅地建物取引士
公認 不動産コンサルティングマスター
賃貸不動産経営管理士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
相続支援コンサルタント
相続鑑定士
福祉住環境コーディネーター 他

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