管理委託のポイント 3.入居管理業務

入居中の入居者への連絡業務やクレーム対応、大家さんへの対応状況の報告も管理会社の重要な業務のひとつです。

集金代行業務建物・設備管理業務と合わせて委託しておけば、入居者の情報や建物の修繕履歴などもわかった上で対処できますからスムーズに対応できます。

 

入居立合い

入居日当日にカギの引き渡しを物件で行い、入居に際してのルールや設備の使用方法、ライフラインの開栓手続きなどの説明を行います。

同時に管理会社立ち合いの元で室内チェックをしますので、退去時の原状回復トラブルを未然に防ぐ効果があります。

▶ 参考:原状回復義務と契約の重要性

しかし、繁忙期など一日に何十件もの入居が重なる時期に入居立会いを行うことは物理的に不可能ですから、標準で管理業務に入っている会社は少ないでしょう。

来日したばかりの外国人など、賃貸住宅の居住マナーを知らない方が入居する際に行うのはとても効果的です。

 

連絡調整業務

  • 工事や点検業務の日時の案内
  • マナートラブルなどの是正勧告や注意喚起
  • 解約の受付や賃貸条件の交渉
  • 設備の修理依頼

などのやり取りについて、入居者と大家さんとの間に仲立ちして連絡・調整を行います。

管理会社が間に入ることで、感情的になりがちな当事者間の交渉を円滑に取りまとめることができます。しかし、どうしても伝言ゲームになりますので、微妙なニュアンスが伝わりにくく、担当者の対応次第で逆にトラブルが大きくなることもあり得ます。

最初の火種自体は小さかったものが、担当者の伝言ミス・連絡忘れ・対処の悪さで炎上すると、なんのために仲立ちしてもらっているのかわからなくなります。

個別事情を含んだ調整業務は画一的なマニュアル対応がむずかしく、担当者のコミュニケーションスキルに頼る面が大きくなります。

 

クレーム対応

賃貸住宅で発生するクレームは大きく分けて3種類あります。

  1. 新入居クレーム
  2. マナークレーム
  3. ハードクレーム です。

 

新入居クレームは、新しく入居したばかりの入居者から入るクレームです。

新築物件でもありますが、やはり圧倒的に既存の物件からの件数が多いです。清掃の不備やリフォームの不良、設備の故障などが多いです。

新入居のクレームが長引くと、その後の関係性が悪化しますから、できるだけ発生させないように、そしてもし起きてしまったら迅速丁寧に対処をすることが大事です。

マナークレームとは、騒音や共用部の使い方、ゴミの捨て方など入居者のマナーに関するクレームです。

管理会社は全戸に向けて注意文を配ったり、特定できている場合は、直接本人に話すこともあります。当事者にクレームの原因になっているという認識が薄い場合、解決に時間がかかります。

入居のしおりを配布する、ゴミ置き場を整備するなど、そもそもマナーが悪くならないような環境整備が必要です。

ハードクレームは、建物や設備などのハード面のクレームです。

清掃状態が悪い、水が漏れている、設備が壊れたなど手直しや修理が必要なものです。漏水、給湯器の故障など緊急を要する修理対応は速やかに行わなくてはいけません。

事後報告でもいい修繕項目などをあらかじめ管理会社と打ち合わせしておくとスムーズです。

修繕費用は基本的には大家さん負担ですが、入居者に過失がある場合の費用負担の交渉は管理会社が行います。

▶ 参考:賃貸クレームの種類

 

官公庁などへの届出事務の代行

必要に応じて、消防署や水道局、警察、電力会社やガス会社などへの届け出などを代行します。

管理会社は、火事などの事故や災害、事件などが起こった際の安否確認・連絡窓口になることもあります。

 

入居台帳管理

入居者の家族構成や同居人の数、氏名、年齢などを帳簿管理します。

賃貸条件やクレームの対応履歴も合わせて残します。

いつの間にか入居者が変わっていたり、転貸されていたりすると事故が発生した時に困ります。知らないうちに無許可で民泊などの転貸をされ、もし火災などが起きて死亡事故に発展してしまった場合、大家さんは管理者責任を免れることができない可能性があるため、入居者情報の把握は重要です。

しかし管理会社の実務的には、入居者自ら申告をしてきてくれない限り、定期的に入居者名簿の更新を行うことは難しいです。大家さん側で風通しのよい運用方法を検討しなければいけません。

 

空室管理

空室となっている部屋を定期的に巡回して、換気や清掃を行います。

空室期間が長くなると部屋は思った以上に汚れます。封水も切れますので下水から悪臭や虫が上がってきます。特に夏は注意が必要です。

入居希望者が内覧に来る直前に対応すべきですが、管理会社の担当者は数百戸単位の管理物件を抱えており個別に対処できないことがあります。

事前に確認しておくポイントのひとつです。

 

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この記事を書いた人

管理人 いろは大家マニュアル Site administrator
地主系大家さんを中心に、賃貸経営に関わるさまざまなステークホルダーを支援する仕事をしています。
守備範囲は広く浅いです。専門的な深い部分はすぐに専門家に頼ります。偏りはありますが、近視眼的にはならないように心がけています。鳥の目、虫の目、魚の目で大家さんのお役に立つお仕事をしていきたい(と願っている)。

【保有資格】
宅地建物取引士
公認 不動産コンサルティングマスター
賃貸不動産経営管理士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
相続支援コンサルタント
相続鑑定士
福祉住環境コーディネーター 他

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